ひとくちに外貨投資の商品といっても、さまざまな種類があります。それらの中から自分に合った商品を見つけるには、それぞれの特性を理解することが大切です。中でも、「リスク」の大きさは最も重要なチェック項目といえるでしょう。
「リスク」=「損失」ではない!?
投資の世界で使われる「リスク」という言葉は「不確実なこと、ブレること」をいい、必ずしも損失を意味するわけではありません。たとえば、価格が変動する2種類の金融商品をそれぞれ10,000円で買ったとします。商品Aは11,000円と9,000円の間で価格が変動することが多く、商品Bは15,000円と5,000円の間で変動することが多いとした場合、商品Bの方が価格のブレ幅が大きいことになります。このブレ幅を「リスク(価格変動リスク)」といいます。ブレ幅が小さい商品Aは、損失が出るとしても少額でしょうが、利益(リターン)も小さくなります。一方商品Bは、大きく値下がりする可能性はありますが、大きな値上がりも期待できます。自分がどの程度のブレ幅(リスク)なら許容できるかを考えて商品を選ぶといいでしょう。
商品の紹介
ここで、外貨で投資をする金融商品をいくつかご紹介します。リスクの程度を中心にそれぞれの商品特性を十分理解した上で、上手に活用しましょう。なお、①円を外貨に(および外貨を円に)換える際にはコストがかかる、②為替が変動すると、為替損益が発生する、③預金保険制度の対象外、という点はすべて共通しています。
気をつけるポイント
外貨預金
外貨で預入れる銀行預金で、円の預金と基本的な特性は同じです。外貨投資の最も基本的な商品であり、米ドルやユーロ、豪ドルなど、世界中のさまざまな通貨の取引が簡単に行えます。金利は各国の金利水準が反映され、通貨や預入れる時期、預入れの期間などによって異なります。通貨によっては為替変動による差損益に加え、円預金では得られない高い金利が得られる点も魅力の一つです。
外国為替証拠金取引(FX)
一定の証拠金(保証金)を担保として、その数倍の金額の外国為替取引が可能になる仕組みで、FXとも呼ばれています。為替手数料が安く、インターネットで簡単に取引ができるため、短期的に収益を上げようという投機的な参加者が取引の中心になっているようです。一般的には少額の資金から行え、高いリターンが得られる場合がある反面、為替相場が予想と反対方向に動くと大きな損失を被る可能性があります。
その他の商品
外貨投資の対象となる商品には、他にも債券や株式をはじめとする下記のような商品があります。
外国債券
- 外国の政府、企業などが発行する債券
- 定期的に金利が受け取れ、満期まで保有すれば額面金額は戻る
- 発行される通貨や発行体の格付け(信用度)によってリスクやリターンが異なる
外国株式
- 外国企業の発行する株式
- 株価の変動に加え、為替変動の影響を受ける
- 外国企業の情報は取得が難しいため、上級者向けの商品
外国の債券・株式などに投資を行う投資信託
- 運用会社を通じて複数の外国債券、外国株式などに分散投資を行う仕組み
- プロの投資家が投資対象の選定を行う
- 価格が円で表示されていても、外貨建て商品として捉える必要がある
外貨MMF
- 投資信託の一種であり、短期の外国債券が主な投資対象
- 少額取引が可能、いつでも解約できるなどの特徴がある
- 外貨預金の代わりに利用されることも
※本画面に掲載されている情報は、情報提供のみを目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はすべてお客さまご自身でご判断くださいますようお願いいたします。