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最近ガソリンの値段が上がったと感じることはありませんか?また、コロナ禍以前には、街中や観光地でよく外国人観光客を見かけました。ガソリンの価格も訪日外国人の数も、実は「為替相場」の動向と密接に関係しているんです。私たちの生活と決して無縁ではない「為替相場」について解説します。

輸入物価指数とドル円レートの推移

為替の動向と、外国人観光客の増加には、相関関係が…!?

輸入品価格や外国人観光客にみる「為替」

毎日の生活の中で為替相場の変動を実感するのは、輸入品の値段が上下するときでしょう。日本はエネルギー資源の9割、食料の6割ほどを輸入に頼っているため、為替相場が円安方向に動く(円の価値が下がる=外貨の価値が上がる)と、ガソリン価格や小麦を代表とする食品価格が上昇を始めます。例えば、2012年から2014年の3年間は、消費税増税の影響に加え、輸入品の場合には、その3年の間に1ドル80円から120円まで円安が進んだ影響もあり、消費者物価や輸入物価が急上昇しました。

また、コロナ禍以前には日本を訪れる外国人観光客が増えていました。特に中国からの観光客の話題がよくニュースで取り上げられていました。中国の一部の人々の生活が豊かになったこともありますが、中国元が上記の3年間で円に対して50%近く高くなった(円安になった)影響も小さくないでしょう。以前に比べ、日本のおみやげも買いやすくなっていたわけです。

日本から海外に行くときは…

一方、日本人が海外旅行に出かける場合には、円安はありがたくありません。仮に、あるアメリカのホテルの宿泊料が一泊100ドルとすると、1ドル80円であれば8,000円で利用できるものが、1ドル120円では12,000円払わなくてはならないわけです。同様に、食事代もおみやげ代も円換算すれば、みな割高になってしまいます。

このほかにも、円安が進むと、海外では日本製品を安く購入できるようになります。その結果、販売が好調になって日本からの輸出が増えれば、日本の輸出関連企業の業績が上昇します。業績予想が上方修正されると、その企業の株価の上昇につながります。逆に、輸入関連企業にとっては、円安は仕入価格を押し上げるため、業績の悪化が予想され、株価の下落につながることもあります。

ここまで円安の影響を中心にお話ししてきましたが、円高の場合には、逆の状況になると考えてください。