[ロンドン 21日 ロイター] – 英国立統計局(ONS)が21日発表した1月の財政収支は過去最高の167億ポンド(210億8000万ドル)の黒字だった。季節要因による所得税税収が背景。ただ、財政状況は依然として厳しい。
ロイターがまとめた市場予想は187億ポンドの黒字だった。
1月は所得税の納税期限で財政収支が黒字になる傾向がある。中央政府の税収は過去最高の908億ポンドと、前年同月の879億ポンドを上回った。
今年度(2023年4月から)の財政収支は1月時点で966億ポンドの赤字。赤字幅は前年同期を31億ポンド下回った。
ハント財務相は来月6日に予算案を発表する。年内の実施が予想される総選挙を前に減税の財源を確保したい考えだ。世論調査によると、与党・保守党は支持率で野党・労働党に大きく水をあけられている。
キャピタル・エコノミクスの英国担当副チーフエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は「1月の財政収支は、予算案発表を控えた財務相にとって大きな朗報となった。だが、これが選挙前の大規模なバラマキにつながるとは思わない」と述べた。
国有銀行とイングランド銀行(英中央銀行)を除く純債務は2兆4180億ポンドで、国内総生産(GDP)の88.1%。前年同月の85.0%から増加している。